今日はリードを使ったしつけについて紹介したいと思います。この訓練を続けていくと、最終的には掛け声を掛けるだけで、犬にこちらが考えていることを伝えることが出来るレベルも目指すことが出来るしつけだと思います。このしつけの中で一番重要な訓練となりますリードショックについて書いていきたいと思います。
リードショックとは
リードショックは、犬がこちらが望んでいないことをした時に、掛け声を掛けながら、リードを引っ張って犬を驚かせることで、犬にとってやって良い事と、悪いことを教える方法です。嫌な思いを強く犬に与えてしまうと、飼い主と犬との信頼関係に影響を及ぼすことがありますので、リードショックはあくまで、犬を「びっくりさせる」事を目的として実施することが大切です。
リードショックの実施方法
リードショックの方法は、非常にシンプルで次の、3ステップです。
1). まずは、サークルから出す時にリードを付けます。
2). (もしも、こちらが望まないことをした場合)リードを下に引く。
3). リードを引くタイミングに合わせて、低い声で「No」と言う。
基本的には、これだけです。
リードショック手順の詳細説明
次にもう少し、1)~3)のステップを詳細に説明します。
1)について、サークルから外に出す時も、実は我慢を覚える練習を取り入れることが出来ます。こちらが掛け声を掛けた時に初めて外に出ることが出来るようにします。そのために、サークルを選ぶ時に、扉が付いているサークルを選ぶことをお勧めします。サークルの選び方は、「犬のサークルはどれを選ぶとよい?~3種類のサークルの比較~」を参考にしていただければと思います。扉が付いているサークルであれば、犬がこちらの意図に反して勝手にサークルから出ようとした場合に、扉を閉めることを物理的に外に出ることが出来なくなります。
「扉を少し開ける」 → 「犬が出ようとする」 → 「扉を閉める」という一連の行動を何回か繰り返すことで、犬側も学んで、扉を開けても犬が出ようとしなくなると思います。そうなればしめたものです。
写真は、アロ君も我慢強くなって、サークルの出入り口で待っている様子です。このような状態から、扉を開けて、じっとしていることを確認したうえで「OK」という掛け声掛けてあげて外に出してあげます。出してあげたタイミングで、リードを付けるとよいと思います。
次に、2)についてです。リードを下に引く時は、少しリードをたるませた状態から、一気に下に引くと良いと思います。この時、先ほども書きましたがあくまで、「びっくりさせる」ということを目的にして、あまり力を入れすぎないようにして下さい。力を入れると犬が痛い思いをするので、気を付けて愛情をもってしつけして上げて下さい。何をして良いか悪いかを犬に分からせるために重要なポイントは、望まないことをしている最中あるいは、した直後に「びっくりさせる」ことです。こちらが望んでいないことをしてしまった後暫く時間がたってリードショックを実施しても全く効果がありません。何かをやっている時に、びっくりさせないと、悪い行動を犬が認識することが出来ません。
続きまして、3)についてです。掛け声も重要なポイントです。犬は、話をしている内容自体を理解することは難しいですが、こちらが話すトーンをちゃんと聞き分けています。高いトーンは、褒められていると感じるようですし、低いトーンは叱られていると感じるようです。そこで、叱る時は、出来るだけ低いトーンにした方が良いと思います。また、毎回同じ掛け声を使うことが重要です。私の場合は、「NO!」という掛け声を使っています。「ダメ!」とか「コラ!」とか、どのような掛け声でも構いませんが、同じ掛け声で、低い声で言うことが重要です。掛け声に関して、一点注意点があります。それは、叱る時に、名前を掛け声にすることだけは避けて下さい。叱られる時に同時に聞こえてくる言葉に対して、犬はネガティブなイメージを持ってしまいますので、名前を掛け声にしてしまうと、せっかくの大切な名前が犬にとって嫌な印象になってしまう可能性があります。ですので、私は、リードショックに関わらず、叱る時は必ず「NO!」という言葉を使っています。もう一つ、掛け声に関する注意点は、2)で書きましたリードを引くタイミングと同時に発することが重要です。
ここで記載しましたように、犬が望まないことをしたことを見つけた瞬間にすかさず、リードショックを実施したとします。それを犬側の視点で考えてみると、何かをしている最中に、突然首が引っ張られて、とってもびっくりする。と同時に、飼い主の低い叱りの掛け声「NO!」が聞こえてきた。という状況になり、「今やっている行動をすると、何だか悪いことが起きる」ということになると思います。
私の印象では、このリードショックを導入することで、とてもしつけがしやすくなったと記憶しています。こちらの意思を示しやすくなりましたし、アロ君も、分かりやすかったのか、リードショック導入後とても聞き分けが良くなったように記憶しております。また、先に記載しました、叱る時に同じ掛け声を使うと。最終的には、リードショックも不要になり、こちらが望まない行動をした時に、ある程度言葉だけで、こちらの意図を伝えることが出来るようになります。今では、アロ君は、「NO!」という言葉だけで、して良い行動とダメな行動を認識するようになりました。
リードショックを使ったしつけを始めた時は、アロ君は家の中に居る間ずっと、リードを付けて過ごしていました。
まとめ
こちらが望まない行動をした時には、リードショックを使うことで、ある程度、行動の善し悪しを犬に伝えることが出来ます。
そのリードショックの方法としては、
・リードを引く
・低い声の掛け声(例えば、NO!)を掛ける
を同時に実施することです。
犬によっては、効果があるケースもないケースもあるかとは思いますが、私にとっては、非常に分かりやすく、とても効果があり、今、なお叱る時のベースになっている手法ですので、紹介させて頂きました。
もし、興味を持たれましたら、一度試しにトライしていただければ幸いです。